Google
 

横河工務所「電通銀座ビル」2007/06/09 12:00:14

電通銀座ビル(2007年5月26日撮影)

電通銀座ビルディング
横河工務所
中央区銀座7-4-17
1934年
(2007年5月26日撮影)

外堀通り、数寄屋橋と新橋の中間くらいにある電通銀座ビルです。現在の汐留本社の、その前の築地本社(丹下健三設計)の、その前の本社ビルです。

角の丸みに特徴があり、いかにも重厚なデザインですが、同じ敷地にあった本社ビルが関東大震災で焼失した後、地上8階、地下2階の耐震耐火に重点を置いた鉄骨鉄筋コンクリート造りで建てられたそうです。

全体の外観が重厚なのに対して、入り口付近には変わった装飾があります。右に「広目天」と左に「吉祥天」、真ん中には星のマークがあります。

「広目天」は仏教を守る4人の守護神の1人で、全世界の出来事をもらさずに見届け、この世の真実を書き留めておく神とのことです。電通は今でこそ最大手広告代理店ですが、戦前は、大手通信社(新聞社等にニュースを配信する会社)の一つでしたから(電通の元々の社名は日本電報通信社)、会社の守り神とされたのでしょう。吉祥天は繁栄・幸運の神とのことですから、当然会社の繁栄を願ってのことでしょう。

中に入ったことはありませんが、内部のエレベーターホールには立派なモザイクタイル装飾があるそうです。

古いビルですが、綺麗にメンテナンスされて、使われ続けているのは、何だかうれしいものです。

【参考文献】
倉片俊輔、斉藤理(監修・執筆)「東京建築ガイドマップ-明治 大正 昭和」エクスナレッジ(2007年)
【参考サイト】
電通:ホーム>資料室>広告と電通>社屋で見る