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Josepf Szigeti - Bach: 6 Sonatas & Partitas for Violin Solo2011/08/05 12:30:00

Josepf Szigeti - Bach: 6 Sonatas & Partitas for Violin Solo

LP時代の最後頃のこと(80年代前半)。たまたま、シゲティの廉価版を見つけて、「初めて聞くバッハの無伴奏ヴァイオリン」かつ「演奏者について何の予備知識もなし」に買って帰り、聞いた時の衝撃といったらなんと表現して良いものやら…

「これは何かの間違いなのか?」「なんだこの変な音?」「録音のせいか?」「変な失敗録音掴ませられたのか?」

しかし、何回か聞いていくうちに、異なった印象が現れる。「これ、何か凄い迫力あるぞ」「ビンビンと伝わってくるこの緊張感は何」「音楽室にあったしかめ面の肖像画のバッハ大先生が、あの顔で演奏したらきっとこん曲になりそうな気がしてきた」

「これはよく分からないが演奏史上一つの「基準」となる演奏なのではないか。」ということが薄薄分かってきたような気がしてきた(自信なし)

その後、いろいろ予備知識も増えて、シゲティの演奏が論争的であることがわかってきた。やっぱりシゲティって凄い人だったらしい。

演奏から伝わって来る、真摯、緊張、燃え上がる精神性こそこの演奏の本質であり、長く聞かれ続けている理由であろう。シゲティに匹敵する演奏者は未だあらわれていない(と思う)。

バッハの無伴奏ヴァイオリンを聴くならシゲティはやはり外せないのだ。でも、最初にに聴くのは止めたほうが良いと思う、現代の演奏家の名盤は数あるので、他の方のレヴューなどをご参照。でもいずれはシゲティも必ず聞くべきだ。

加えてのおすすめは、シゲティとおなじハンガリーのヨハンナ・マルツィ。年齢は違えど同じハンガリー人が同じ曲を同じ頃に録音している。「無骨」なシゲティに対してマルツィは「流麗」まったっく異なる無伴奏ヴァイオリンを聞くことができる。

この2盤を聴き比べると、無伴奏ヴァイオリンという曲の重層的な解釈の可能性を知ることが出来るのではないかと思います。シゲティとマルティ二人の無伴奏ヴァイオリンを聴き比べ、音楽の多様性を楽しめるのはとても幸せです。

シゲティは(そしてマルツィも)★★★★★評価の名盤として記憶に残しておきたいと思います。



マルツィの無伴奏ヴァイオリンなど

マルツィの無伴奏バイオリンにシュタルケルの無伴奏チェロ(1回目の全曲モノラル録音)のセットでお得。


Johann Sebastian Bach: Vokalwerke2011/07/02 05:27:43

Johann Sebastian Bach: Vokalwerke

バッハの、クリスマス・オラトリオ、ヨハネ受難曲、マタイ受難曲、ミサ曲です。録音は1940年代後半から1950年代前半までの全てモノラル録音。BOXの裏に"HISTRIC COMPLETE RECORDING"と書いてあるので4曲とも、これが世界初全曲録音らしい(?)


「古い録音は聞きたくない」というかたには、残念ながらというか当然ながらというべきか、向きません。

録音よりも内容だという方むけ。


■CD1-3:は「クリスマス・オラトリオ」。1955年録音。指揮はリヒターでいわゆるリヒター旧録音です。リヒターだからこそ聞いてみようと思うわけで、期待は裏切られません。1955年なので録音もあまり問題ないと思います。単体発売は多分これBach J S: Christmas Oratorio みたいです。あとClassical Christmas にも入っています。1955年=昭和30年。戦後十回目のクリスマスです。

発売元サイトから解説文。ドイツ語ですが、恥ずかしながら、読めないのでそのまま引用します。

Was wäre die Weihnachtszeit ohne das Bachsche "Weihnachtsoratorium? Für musikliebende Menschen nahezu undenkbar! Erfreuen Sie sich an dieser opulenten Aufnahme von 1955 mit dem Münchener Bachorchester und dem Münchener Bachchor unter der Leitung des bedeutenden Bach-Interpreten Karl Richter. Solisten sind Gert Lutze (Evangelist), Cloe Owen (Sopran), Hertha Töpper (Alt), Horst Günter und Kieth Engen (Bass).

In der Zusammenfassung von 6 Kantaten, die der große Barockmeister für die Weihnachtstage und den Jahreswechsel bestimmt hat, kommt die festliche, weihnachtliche Stimmung auf ganz besondere Weise zum Ausdruck.

"Jauchzet, frohlocket. Auf, preiset die Tage!"

【Google先生の翻訳】

What would the Christmas season without Bach's "Christmas Oratorio? For music-loving people almost unthinkable! Enjoy this sumptuous recording from 1955 with the Munich Bach Orchestra and the Munich Bach Choir under the direction of the eminent interpreters of Bach, Karl Richter. Soloists Gert Lutze (Evangelist ), Cloe Owen (soprano), Hertha Topper (alto), Horst Günter and Kieth Engen (bass).

In the summary of six cantatas, which determined the great baroque masterpieces for the Christmas and New Year's Eve, the festive Christmas spirit comes in a special way to express.

"Rejoice, rejoice. Come, praise the days!"


■CD4-5:は「ヨハネ受難曲」です。1954年録音。指揮はラミンで現代の軽快な演奏とは違ってやや重々しいのですが、その分、胸にせまるバッハです。録音も悪くないと思います。今回の4曲の中では一番気に入っています。特筆すべきは歌手陣、特にAgnes Giebel(Soprano)、Ernst Häfliger(Tenor)が素晴らしいです。それだけで十分に幸せになります。単体発売はこれBach: Johannespassion のようですが入手困難か。St John Passion Bwv 245 があるようです(こっちが本家?Berlin Classic版)。1954年=昭和29年。

発売元サイトから解説文。ドイツ語ですが、恥ずかしながら、読めないのでそのまま引用します。

Die vorliegende Aufnahme von Bachs großartiger "Johannespassion" mit dem Thomanerchor Leipzig entstand 1954, zwei Jahre vor dem Tod des bedeutenden Thomanskantors Günther Ramin. Sie stellt eines der wichtigsten Tondokumente des berühmten Knabenchores unter seiner Leitung dar. Den Evangelisten singt Ernst Haefliger, einer der bedeutendsten deutschen lyrischen Tenöre der Nachkriegszeit, daneben sind Marga Höffgen (Alt), Agnes Giebel (Sopran), Franz Kelch (Bass) als Jesus und Hans-Olaf Hudemann (Bass) in den Rollen Petrus und Pilatus zu hören. Zentrales Element des Passionsberichtes - beginnend mit der Gefangennahme Jesu - ist der Evangelist, dessen Worte den Kapiteln 18 und 19 des Johannesevangeliums folgen. Wie Säulen wirken die 12 Choralstrophen, die das Werk gliedern. Die Volkschöre, die "turbae", sind in ihrer Schärfe ohne vergleichbares Vorbild in der Musikgeschichte. Die Brutaliät und Blutgier der Masse, die Arroganz der Hohepriester, der Sarkasmus der Kriegsknechte - dies alles ist höchst bildlich und erschreckend von Bach in Musik gesetzt worden. "Man darf nicht vergessen daß Bach nicht nur einer der größten Tonkünstler ist, sondern auch einer der größten Mystiker, die die Welt hervorgebracht hat." (Albert Schweitzer, 1908)

【Google先生の翻訳】

This recording of Bach's magnificent "St. John Passion" with the Boys Choir was created in 1954, two years before the death of the eminent Thomanskantors Günther Ramin. It represents one of the most important sound documents of the famous boys' choir under his direction dar. the Evangelist sings Ernst Haefliger, one of the most important German lyric tenors of the postwar period, plus there are Marga Höffgen (alto), Agnes Giebel (soprano), Franz Kelch (bass) as Jesus and listen to Hans-Olaf Hudemann (bass) in the roles of Peter and Pilate. The central element of the Passion story - starting with the arrest of Jesus - is followed by the evangelist, whose words Chapters 18 and 19 of John's Gospel. Act as pillars, the 12 chorale verses, divided the work. The People's choirs, the "Turba", are in their field without comparable model in the history of music. Brutaliät and the blood lust of the mass, the arrogance of the high priest, the sarcasm of the soldiers - this is all very frightening and figuratively set to music by Bach was. "One must not forget that Bach is not only one of the greatest musicians, but also one of the greatest mystics the world has produced." (Albert Schweitzer, 1908)


■CD6-8:は「マタイ受難曲」です。1949年ライブ録音。指揮はレーマン。その後の1956年マタイ受難曲演奏中に心臓発作で倒れ亡くなったそうです(バッハ命ですね)。これも現代の演奏とは異なって少々重々しい。一番古い録音でもあり、録音という面では欠点あり。コラールや器楽演奏の部分はどうしてもモワッとした感じになっています。あと一部、歌手がマイクから遠い…とうことも。でもでも、歌手陣はHelmut Krebs(Tenor)、Dietrich Fischer-Dieskau(Bariton)と魅力的。単体発売はこれBach J S: St Matthew Passion のようです。1949年4月=昭和24年4月のライブ。未だ戦災の跡の残る街に回ってきた戦後3回目の春。そして「マタイ受難曲」のライブ演奏、もうこれだけで感情移入してしまいます。

発売元サイトからの解説文。ドイツ語ですが、はずかしながら読めないので、そのまま引用します。

In einer Aufnahme von 1949 unter der Leitung von Fritz Lehmann ist hier - neben Elfriede Trötschel und Helmut Krebs u.a. - der gerade 24jährige Dietrich Fischer-Dieskau als Christus zu hören. Der junge Bariton, der im Jahr zuvor sein Operndebüt gegeben hatte, wurde im Aufnahmejahr mit dem Berliner Kunstpreis als "Bester Sänger des Jahres" ausgezeichnet. "Wer das Christentum völlig verlernt hat, der hört es hier wirklich wie ein Evangelium." (Friedrich Nietzsche über die Matthäuspassion) Die geradezu verschwenderische Fülle an musikalischen Formen, ihr hoher Gefühlsgehalt sowie ihre religiöse und geistige Tiefe haben die "Matthäuspassion" zu einem der beliebtesten und bekanntesten geistlichen Werke Johann Sebastian Bachs werden lasssen.

【Google先生の翻訳】

In a recording from 1949 under the direction of Fritz Lehmann is here - in addition to Elfriede Trötschel including and Helmut Krebs - The 24 year old just listen to Dietrich Fischer-Dieskau as the Christ. The young baritone who had previously been in his operatic debut, won in years recording with the Berlin art prize for "Best Singer of the Year." "Who has forgotten that Christianity completely, it really sounds like a gospel." Are (Friedrich Nietzsche on the St. Matthew Passion), the downright lavish wealth of musical forms, its high emotional content as well as their religious and spiritual depth, the "St. Matthew Passion" into one of the most popular and best-known sacred works of Johann Sebastian Bach lasssen.

#後で気がついたんで追加。これも同じ録音らしい。録音元としてはここが本家か?


■CD9-10:は「ミサ曲ロ短調」です。1952/53年録音。指揮はあらまぁカラヤン。歌手にはElisabeth Schwarzkopf(Soprano)など。先入観なしに演奏を楽しみましょう。単体ではJS Bach: Mass in B MInor のようです。Naxos版もあるようでBach: Mass in B Minor です。こっちはボーナストラック付。

発売元サイトからの解説文。みつかりませんでした。

セッション録音なのに録音年が2年に渡っていて、オーケストラのデータが不明確らしく、謎の録音。EMIにもほぼ同時期の録音があるみたいですが

データが微妙に違う…何故だろう?


先にも書いたように、古い録音モノラルですから、音質派にはハナから対象外となってしまうでしょうが、昔モノラルLPでノイズ混じりで聞いてたんだから派には、かなりコストパフォーマンスも良くお勧めのBOXです(バラの発売を集めるよりは断然お得) 。特にHMVのキャンペーン価格なら1枚あたり110円位ですから、ダウンロードより安い!!歴史的・伝統的なバッハ演奏と名歌手の歌声を楽しみましょう。そして再度言わせていただきます。「ヨハネ受難曲」がお勧めです。




鉄鋼ビルディング建て替え!!2011/06/30 05:13:42

鉄鋼ビルディング

鉄鋼ビルが建て替えになるとの報道があった。周辺の再開発が進み鉄鋼ビルだけが取り残されているような状態であったから、時間の問題であったのかもしれない。


2011/6/29日経新聞電子版より

鉄鋼ビルディング、東京駅前に高級賃貸住宅 外国人に照準
2011/6/29 2:57

鉄鋼ビルディング(東京・千代田)がJR東京駅前に保有する自社ビルを建て替える再開発計画の全容が明らかになった。中長期滞在者用の高級賃貸住宅「サービスアパートメント」を約120室設け、羽田・成田両空港行きのバスが発着する24時間営業のバスターミナルも開設する。来秋着工し、2015年春の完成を目指す。

場所は千代田区丸の内1丁目でJR東京駅八重洲北口のそば。既存の第一鉄鋼ビルディングと第二鉄鋼ビルディングを取り壊して再開発する。

新ビルは大小2棟。北側棟は地上25階建てでオフィスが入る。南側棟は13階建て程度でサービスアパートメントやバスターミナルで構成する。延べ床面積は約11万4000平方メートル。両棟は低層部でつながる。

建設費は未定だが、再開発の規模からみて400億~500億円前後とみられる。

サービスアパートメント120室の延べ床面積は約1万平方メートル。各部屋には台所や食器、家具などを完備し、高級ホテルに暮らす感覚で中長期の滞在ができる。1日からの利用も可能。複数の外国語に対応できる相談窓口も設ける予定だ。仕事で来日した外国人ビジネスマンや観光客らの利用を見込む。

運営会社は未定だが、ノウハウを持つ欧州、アジアなどの外資系企業や日本企業の数社と交渉を進めている。

東日本大震災後に訪日外国人は激減したが、羽田空港の国際化により中長期には増加傾向をたどるとみられる。一方、東京駅周辺のサービスアパートメントの数はまだ少ない。交通など利便性の高い立地から潜在需要は大きいとみている。

バスターミナルは1000平方メートル規模。羽田・成田両空港行きの直通バスの発着場と待合所を設ける。24時間営業で、羽田空港を経由して深夜や早朝に到着した外国人を受け入れる。

航空機の運航状況を知らせる電光表示板や外貨両替所、カフェなども設ける。羽田空港側と連携して運営する考え。

現在のバス乗り場は近くの道路沿いにあるが、小さな屋根がある程度で場所も分かりづらい。訪日客の増加に伴うバス増便もにらみ、玄関機能を強化する。

ビルにはこのほか、国際電話会議が可能な貸会議室やインターネットコーナーのほか、シャワー室やラウンジ、フィットネス施設なども設ける。24時間にわたり様々なビジネス需要に応える。

計画は7月に開かれる東京都都市計画審議会での審議と決定を経て動き出す見通しだ。

出典:鉄鋼ビルディング、東京駅前に高級賃貸住宅 外国人に照準


丸の内とは比ぶべくもないが、呉服橋周辺のオフィス街も優良なオフィスビルの並ぶ面白い一画だったと思う。とくに鉄鋼ビルは手入れが非常によくされていて、気持ちがよかった。こうして「ずっと大事に使われていくんだ」とかってに思っていた。オフィスビルの宿命とはいえ寂しい限りである。ファサードだけでも形を残すとか、手入れの良い内装を再利用するとかしてくれると嬉しい。

さくら2011/04/11 01:17:50

今年のさくら

今年のさくら。

Geza Anda - Morzart Piano Concertos2011/02/17 09:56:08

Geza Anda - Morzart Piano Concertos

1980年前後の学生時代、ドイチェ・グラモフォンの1300円の廉価版シリーズ(もちろんLPレコードで)が発売されました(何て名前のシリーズだっけ?)。ゲザ・アンダのモーツアルト・ピアノ協奏曲もバラで全盤発売され、それを一生懸命一枚ずつ買っていたものです。

さて30余年を経て、CDBOXを発見し、懐かしさから購入してしまいました。当時は廉価版ということしか意識に無かったのですが、歴史的にも佳作とされたいたのですね。親しみやすい演奏で(モーツアルトで「孤高の演奏」とかないとは思いますが)とても楽しめると思います。数曲が映画音楽に使われているというのも、この親しみやすさの故ではないでしょうか。

数ある巨匠の演奏とは異なると思いますが、暖かーい気持ちになれる1BOX。



Für Elise - Kempff Transcription & Encores2010/12/20 06:04:16

Kempff: Für Elise - Kempff Transcription & Encores

その昔LP時代に聴いていたのです。その時痛く感激した作品のCD化です。Wilhelm Kempff (25 November 1895 – 23 May 1991)のデッカ録音によるアンコール集。モノラル録音です。"Eloquence Australia"というオーストラリアのレーベルから発売。以前「バッハ・リサイタル」として発売されていた国内盤とバッハ、ベートーベンなどは略重複していますが、"Eloquence Australia"にしか入っていないヘンデル、クープラン、ラモーなどが初CD化のようです。Kempffはテクニックの人ではないと言われていたようですが、オルガニストの家系に生まれただけあって、バッハは慈しみに満ちた素晴らしい演奏だと思います。他の作曲家の小品も期待に違わない演奏です。

この"Eloquence Australia"盤、パッケージやCDの盤面にはバッハの録音が54年、他が55年となっており、「バッハ・リサイタル」のバッハとは別録音(?)かと思ったのですが、ライナーノートには53年となっていて、既発の録音と同じもののようです。HMVでは売り切れです。その「バッハ・トランスクリプション集とアンコール集」では、まるで全曲が初CD化であるかのように読めるのですが、おそらくクープラン、ラモー等の一部が初CD化の意味でしょう。

これだけの内容ですから、国内で入手不可でも、どこかの国で入手できるんでしょうが、探すのは大変かも。でも見つけたら入手して損はありません。慈愛に満ちた演奏にたっぷり浸りましょう。




Helmut Walcha - Bach: Organ Works2010/12/17 03:01:28

Helmut Walcha - Bach: Organ Works

Helmut Walchaのバッハオルガン曲全集。1947年から1952年の第一回目のモノラル録音。これまた独membranからの激安盤。⇒membranのサイト

戦後直ぐの困難な時期の録音という先入観もあるのでしょうが、第二回目のステレオ録音より迫力があるように思えます。全曲聞くのは時間がかかりますが、その時間だけ幸せな気持ちになれます。



Rosalyn Tureck - J.S. Bach: Well-Tempered Clavier2010/12/16 05:18:54

Bach: Das Wohltemperierte Klavier

Rosalyn Tureckという演奏家のバッハ平均律の全集です。1952~1953年に録音されたモノラル盤ですが、非常に良い演奏です。4枚組で値段が安いのが、驚きです。独membranレーベルのへのリンクです。⇒ Rosalyn Tureck - Das wohltemperierte Klavier (The Well-Tempered Clavier)

さらにRosalyn TureckについてはWikipedia英語版から引用します。

Rosalyn Tureck (December 14, 1914 – July 17, 2003) was an American pianist and harpsichordist who was particularly associated with the music of Johann Sebastian Bach. She was born in Chicago, Illinois.

Tureck did not play only Bach, but had a wide-ranging repertoire which included works by composers including Ludwig van Beethoven, Johannes Brahms, and Frédéric Chopin, as well as more modern composers such as David Diamond, Luigi Dallapiccola, and William Schuman. Diamond's Piano Sonata No. 1 was inspired by Tureck's playing.

バッハの演奏家として知られていますが、広いレパートリーを持っていました。

Tureck studied at the Juilliard School of music, where one of her teachers was Leon Theremin. Later in her career, Tureck joined the faculty at the Juilliard School. She made her debut at Carnegie Hall playing the theremin, an electronic instrument.

なんとテルミンの演奏までしていたのですね。

For a while she followed Wanda Landowska in playing Bach's keyboard music on a harpsichord, but later returned to playing the piano. In 1970, Tureck performed in Boston for the Peabody Mason Concert series.[1] She was an honorary fellow of St Hilda's College, Oxford.

In a CBC radio special on Glenn Gould[2][3], the host told Tureck that Gould cited her as his "only" influence. She responded by saying she knew that she was an influence, and that it was very kind of him to say so.

グールドにも影響を与えた、バッハの演奏家だったのですね。

She died in New York in 2003 at age 89. Her scores and recordings were given to the Music Division and the Rodgers & Hammerstein Archives of Recorded Sound, both divisions of The New York Public Library for the Performing Arts.

Notes
  1. ^ Boston Herald Traveler, 10-Dec-1970, Harry Neville, "All-Bach recital by Miss Tureck"
  2. ^ http://www.sonyclassical.com/artists/gould/bio.html Reference Influence On Glenn Gould
  3. ^ http://www.connectedglobe.com/tbrf/tureck6.html On Tureck's Influence On Gould

録音状態も良いと思いますし、数ある平均律の中でも名盤に挙げられるのではないでしょうか。なお、Tureckはその後、BBCで平均律のステレオ録音をおこなっています。







ロバアト・オウエン(著)五島茂(訳)「オウエン自叙伝」岩波文庫2010/05/14 04:40:03


ロバアト・オウエン(著)五島茂(訳)「オウエン自叙伝」岩波文庫(1961年)

ロバアト・オウエン(1771-1785)の自叙伝です。「ワンダーボーイ」のマイケル・オーウェン(1979-)ではありません。マルクス・エンゲルスの言う空想的社会主義(utopian socialism)のシャルル・フーリエ、アンリ・ド・サン=シモン、ロバート・オウエンの3人の内の一人。

オウエンは、1771年、ウェールズで、馬具や金物を扱っていた家庭に7人兄弟の6番目の子供として生まれた。幾つかの小売商で商売を学んだあと、1780年頃からマンチェスターで工場を経営、1799年には、スコットランド・グラスゴーの工場ニウ・ラナアック(ニュー・ラナーク)を経営していたデイヴィッド・デイルの娘カロラインと結婚、のちニウ・ラナアック(ニュー・ラナーク)の共同経営者となった。

オウエンは、労働者の労働条件を改善、特に幼少の子どもの工場労働を止めさた。子供たちにむけて、性格改良のための幼児学校を工場に併設した(幼児性格形成学院)。幼児教育の最初の試みであった。教師は子供に決して威圧的なあるいは懲罰的な態度をとらないことを絶対条件とし、ダンス・音楽・軍事教練を中心に、教室での授業では、掛け軸を利用する教育方法がおこなわれた。

その後、ニウ・ラナアックでの経験をもとに、1814年から工場労働者の権利保護(児童労働の禁止)の法律制定に向け活動を開始した。しかし、同業者からの強い反対を受け議員による骨抜きが進み、オウエンは熱意を失う。

1817年には、幼児教育による高い労働力の育成、労働者の環境改善と教育により、合理的な生産を実現する工場の建設を進めるべく講演会を開催した。その場でオウエンは、「現存全宗教の否定」を宣言した。

その後、オウエンはヨーロッパを外遊、多くの政治家、資本家、知識人と友誼を結び、多数のオウエンの持論の賛同者を得た(と言っている。)帰朝後は、再び労働者の環境改善と幼児教育の改善を目指して、有力聖職者、議員、貴族、王族などに対し運動を続けるも十分な成果は得られなかったようである。自伝の大筋はここまである。

実際のオウエンはこの他ににも、アメリカにわたり新しい共同体の創設を試みたり、イギリス国内の協同組合、労働組合などの設立にもかかわっていたようである。実績は非常に多岐にわたった人である。ただし、晩年心霊術にハマったようで、故人の王族と会話をしたなんてことも書かれています。

オウエンは社会主義者といっても、(出自はそれほどでもありませんが、その後は)裕福な資本家であり、労働者、その子弟に対しては、いささか家父長的な態度が感じられます。労働者、子弟をオウエンの理想とする人格にのみ形成して行こうとしています。もちろん、当時としては画期的な、労働者教育ですが、現在からみれば随分と独善的な方法でもあります。

オウエンの社会制度(the Owenian system of society)により社会を改革しその結果、社会は「黄金時代」(The Millenium)となると言っています。「共産主義と千年王国」という強い繋がりがここでも明らかとなっています。

「科学から空想へ」。もう一つのステップ。

そして現在のニュー・ラナークは世界遺産となっています(日本語が不自然...)。



5月4日(火)「DigTag ニュースガテン系・DJ神保くんが行く」(TBSラジオ)2010/05/09 06:36:53


5月4日(火)「ニュース探求ラジオDig」(TBSラジオ)[PodCastで聞くことができます]

旧聞ですが、5月4日のTBSラジオのニュース番組「ニュース探求ラジオDig」中のコーナー「ニュースガテン系・DJ神保くんが行く」(放送時間は24時をこえて5月5日にはいいていたようですが)で、ジャーナリストの神保さんが竹内香苗アナウンサーに「何故子供をを生みにくいんだろう?」と問いを発していました。少子高齢化にストレートに切り込みましたね。

これに対し竹内さんは、熱く語ってらっしゃいました。

竹内さんの発言を、私なりにまとめると、

(1)男性と女性の結婚時において、女性に不利益な暗黙の契約が存在し続けている。

(2)男性は今まで通り、仕事のみに専心し、女性は一方的に仕事に加え家事・育児を担わされる。

(3)同世代の男性の本音も、そういった女性の役割を暗に期待しているように感じている。

(4)そのような理不尽な契約のもとで、女性が結婚・育児を行うのは困難である。

これに対し、神保さんが「互いに自分の事は自分でやるという関係になったら単なる同居人と同じにならない?」と疑問を返すと、竹内さんは「友愛で結ばれる」と。(^.^)

神保さん「自分の同級生を見ていると、親世代と同じような性役割を求めるようになるとは思っていなかったが、親と同じ様な家庭になっている」。これに対し、竹内さん「母は完全犠牲でしたからね自分の事は」(ーー;)

男性に刷り込まれてしまっている「性役割期待」が有る限り、女性にとってデメリットばかりの、結婚・出産は困難になるばかりということですね。とても説得力ありますね。さらに、当事者の男性ばかりでなく、親世代や世間にこの「性役割期待」があるので、嫁姑関係等でも、仕事より家事・育児に専念すべきという圧力がかかるということもありますよね。

野田聖子議員へのインタビュー記事

10年ほど前、橋本聖子参院議員が妊娠した時、「仕事を辞めろ」という抗議文がたくさん届いた。全国民、男女問わず。それもあって、彼女は産後5日で復帰した。国民には女が男並みに仕事するなら子どもを産むなという価値観が強かった。
さらに、一般に女性の方が収入が低いという労働市場の問題。山田昌弘「少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ」岩波新書(2007年) から引用したように

「夫の育児、家事参加について多くの調査がなされている。そして、夫の家事、育児参加を増やす最大の要因は、妻の「収入」であることが分かっている。妻の収入が高くなると、夫の家事、育児時間が増え、妻の収入が低ければ夫は、家事、育児を手伝わない傾向が見られる」(p.161)。

ジジ、ババ(だけでは無いかもしれいが)の古色蒼然たる性役割分担論の粉砕と、男女賃金の格差廃絶のみが、少子化を止めることができるだろう。どうも、自民党にも民主党にも解決出来そうもないが。