Google
 

フリッツ・ブッシュ「指揮者のおしえ」2015/05/21 05:34:24

フリッツ・ブッシュ「指揮者のおしえ」(春秋社)という本を読んでいます。まだ途中なのですが、幾つか驚いた事が書いてあったのでメモしておきます。



「オペラ」(4章目)は、オペラについてとても悲観的な記述から始まる。自分の大劇場での20年の活動も満足できる結果を残せていない。もしかするとオペラは<映画>にとって代わられるかもしれないとまで言っている。映画であれば、最高の歌手、本当に力のある演出家、十分な音楽の準備によってオペラ作品の傑作をつくれるというのである。もちろん最も優秀なオペラ作品の実演にはおよばないが、日常的に劇場で上演されているような凡庸なオペラ作品は駆逐されるだろうという意味のことまで言っている。

つまり、当時一部の大劇場を除けば、歌手もオーケストラも能力が低く、ブッシュにとって全く容認できないレベルであったようである。オーケストラは十分な規模の編成を行えず、「いいかげん」な演奏しかできない、歌手は声は良いが音楽の心得が欠けているか、音楽の心得はあるが良い声をしていないといった具合。

歌手の演技や演出が映画と比較されるようになり、その質の低さががあらわになってしまったというのである。これでは観客に見放されるであろう、というわけだ。

一方、ブッシュは自分が指揮をした1932年ベルリン市立オペラ、ベルディ「仮面舞踏会」における非常に周到な準備の内容を細かく解説している。ここまでやって初めて、必要な水準のオペラが上演できるのだということだろう。

そして続く「歌手」(5章目)では、優秀な歌手の少ないことを嘆いている。歌手の教育手法が確立されておらず、声楽教師がてんでの自己流の指導をして、良い歌手をほとんど育てることができていないという。ある歌手は楽譜を理解できていなかったという話まである。歌手教育の組織化を望んでいたのだろう。このあたりも本書執筆の動機となったのかもしれない。

ただし、ここで語られている時代は、戦間期や第二次大戦中のことであり、制約も多かったであろう。とは言え、ヨーロッパのオペラはかなり惨憺たる状況であったようだ。

音楽大学等で、指導法を確立し、広い知識、教養や技能を身に着けた音楽家が潤沢に生み出されてこそオペラ上演の質は維持できる。その環境が整わなければヨーロッパでさえオペラ上演の質は低下するのである。

なお、この原稿の主要部分は1940年サンフランシスコからブエノスアイレスへの船上で口述筆記されたもので、一部はずっと前に書かれていたものもあるそうである。出版は著者の没後、近しい音楽家達によって編集された。

ブッシュはドイツ人であるがナチスを嫌い1933年に拠点をブエノスアイレスに移す。夏のシーズンはナチスの影響の及んでいない北欧で客演をしていた。1940年スカンディナビアに滞在中ドイツの侵攻が始まり、ソ連を経由して太平洋岸へ出て、日本(まだ真珠湾攻撃の前)を経由し、アメリカに渡り、そこからアルゼンチンへの帰路に就いた。このときに書かれたのが本書である。

おまけとして、奥波一秀「クナッパーツブッシュ 音楽と政治」にあった話。ブッシュがケルン音楽院の学生だった時、クナツパーブッシュも学生で、同じ指揮法のクラスを受講していたそうである。ブッシュは、クナッパーツブッシュがクラスメートの中で頭抜けた才能を見せていたといっている。

ただし、辛辣な指揮法の教授は、ブッシュに対してもクナッパーツブッシュに対しても「無能だ、音楽をやめるべきだ」と酷評していたらしい。自分より高い才能を持った人間を正当に評価するのは難しいということだろう。

さて、フリッツ・ブッシュは1951年に没しており、録音はSP期に行われている。特に意識してブッシュの録音なんて買ってないので、ブッシュの録音持っているのかと思って調べたら、幾つかみつかった。いずれも古い録音を激安BOXにして売っているドイツのMEMBRANのCDであった。

下からはベルディの仮面舞踏会(本書で詳説されている演目。もちろんこの録音は1951年でずっと後。フィッシャー=ディースカウの歌唱が二曲。

下からは1947年のブラームス交響曲第2番。Danish State Radio Symphony Orchestra

下からは1950年のハイドン交響曲第101番。Wiener Philharmoniker

意外と録音を持っていましたね。続きを読みます。

サブウーファーを使ってみた。2013/02/10 06:46:00

★サブウーファーが欲しい

■現有のオーディオスピーカーは6.5cmシングル・ユニットのフルンジスピーカー。従って、再生周波数帯域は狭く、カタログ上[100Hz~25kHz(-10dB)]だが、実際の下限はもっと高い周波数と思われる 。

■実際に、適当な安物(約400円]マイクとPCを使うという安易かつ簡易的な方法で、周波数特性を計測をした[簡易周波数特性計測装置]。その結果、下限は100Hzと200Hzの中間ぐらい(150Hzくらい?)という結果になった。やはり低音出てないです。

オーディオの科学 を参考にアクティブ・サブウーファーの導入を考えた。フルレンジの周波数特性からすると、サブウーファーで40Hzー100Hzの音を再生をしようと思うわけである。ところが、サブウファーは重くて高い。これはと思う機種は価格5万円~10万円当たり前、重さも1Kg以上あって、家における場所がないではないか(ToT)。さらに、使用中のフルデジタルアンプにはサブウーファアウトも"LINE Out"もないという無々づくし。さあ、困った。困った。(-_-)


★TV用サブウーファーを利用

■ところが、偶々「TV専用アクティブ・サブウーファー」(ホームシアターセットではなくて、単体でTVに繋ぎ、TVのスピーカの低音を補うというコンセプト)なる商品を見つけた。周波数特性:40Hz~180Hz;スピーカー:120mmコーン型ユニット(8Ω);光デジタル音声入力有り;再生周波数コントロール(40Hz~180Hz)機能付き。アウトレットで送料込み約2,500円は安い!!ので購入した。まあ、テレビ用ですから期待はしていないけど。


■フルデジタルアンプの光デジタルパススルーを使って、TV用サブウーファに接続。あとはクロスオーバー周波数とボリュームの調整。

「簡易的な周波数特性測定装置」を使って、sin波スィープによりクロスオーバー周波数とボリュームを調整。まあこんなものか。サブウーファーは50Hz位からしか出てないけど。50Hzから100Hzがフラットになったと思う。


★サブウーファーの効果

■調整がある程度できたと思ったところで、フルレンジの音を消して、サブウーファーの音だけを聴く。近所迷惑なのでボリュームを比較的絞っていることもあって、サブウーファーはかすかに「ヴォーン・ヴォーン」と鳴るだけ。100Hz以下の音なんてこんなものでしょうか。位相の調整なんて高級なものはついてないので、サブウーファーはスピーカーの中間のおける場所においてお終い。

■いよいよ、音楽を流してみる。ところが、ちょっと聞いても低音が出ているのかどうかよく分からないが、注意深く聞くと低音は出ているような気がする。曲にもよるが、交響曲でも低周波が鳴らしっぱなしということは稀なよう。オルガンだと偶に長々と低周波が長く鳴る。そういう場所では確かに効果があり低音が出ている。フーン。サブウーファーって以外に地味な効果なのね。でも今まで聴こえなかったCDに入っていた音が聴こえて嬉しい(^o^)。

■スピーカーの音色が可成り違うので繋がりが悪いような気がしないでもない。まだ、多少調整の余地貼るかもしれないが、2,500円の限界と思って、納得することにした。この音に慣れてくると、これが自然に感じるようになるかもしれないし…

■【追記】ブラームスの交響曲第1番の冒頭とか、印象変わります。

Jazz Master Dave Brubeck Dies at 912012/12/06 06:48:37

R.I.P.

Jazz Master Dave Brubeck Dies at 91[abcNEWS]

David Warren "Dave" Brubeck (December 6, 1920 – December 5, 2012) was an American jazz pianist.
His long-time musical partner, alto saxophonist Paul Desmond, wrote the saxophone melody for the Dave Brubeck Quartet's best remembered piece, "Take Five", which is in 5/4 time and has endured as a jazz classic on one of the top-selling jazz albums, Time Out. (from wikipedia)

Georg Solti: Charisma and Vitality2012/10/16 05:00:00

Georg Soliti: Charisma and Vitality

■Charisma and Vitalityのタイトル通り、どの曲も力強く豪快かつ明快な演奏です。まさに圧倒されます。ただ、ステレオ録音の内、幾つかのトラックは左右が反転しているらしくて残念。まあリッピングすれば反転させてもとに戻すのは簡単だからいいんですけど。

■CD1~2枚目は、オペラ序曲。ステレオ録音。猛烈な勢いと音量にに圧倒されます。CD1のトラック1から5とCD2のトラック1は左右が反転しているように思われます。

■CD3はベートーベンでヴィルヘルム・バックハウスとのピアノ協奏曲5番、CD4はミッシャ・エルマンとのバイオリン協奏曲。CD3はモノラル録音、CD4は擬似ステレオのようです。何れも重鎮との雄渾な演奏です。

■CD5はショルティのピアノで、ゲオルク・クーレンカンプとのブラームスバイオリンソナタ1番2番。モノラル録音。爽快な印象で本セットのなかではこれが一番気に入っています。

■CD6は、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団とのシューベルト交響曲第5番とチャイコフスキー弦楽セレナード。ステレオ録音。イスラエル・フィルのド迫力に圧倒されます。ただし、チャイコフスキーは左右が逆になっているようです。

■CD7は、マーラー交響曲1番。モノラル録音。輪郭を強調したような明確な演奏。

■CD8は、バルトーク。擬似ステレオか?これも輪郭の強調された明確な演奏。

■CD9~10は、ヴェルディのレクイエム。これも擬似ステレオらしい。レクイエムだけど豪快。


J.S.Bach - Kantate 56, Osterortoiumu, Kantate200, Weihachtsoratorium, Messe G-mol BWV235, Motette BWV228, BWV2262012/06/25 05:30:10

J.S.Bach - Kantate 56, Osterortoiumu, Kantate200, Weihachtsoratorium, Messe G-mol BWV235, Motette BWV228, BWV226

中身が良くわからないので有名な謎のレーベル"Concerto Royale"(現在は"Membran"傘下のレーベルらしい)の"206200-360"(CD3枚組)を買ってみました。パッケージを見ても録音年が分からず。どんな録音なのかとドキドキものでしたが。録音は(全てステレオ録音という意味で)比較的新しく、状態も良好でした。内容も総じて良くて買って良かった。とくカンタータ200番のラウテンバッハーのヴァイオリンが「当たり」だと思います。

以下は、主にBach Cantatas Websiteを参考にしています。

CD1
1-5:Cantata No.56 BWV56「われは喜びて十字架を担わん」
指揮:Jörg Faerber
Baritone: York Lutz; Oboe: Heinz Miller
Jugendkantorei der Marienkirche Reutlingen (Kantor: Gunther Heller)
Württembergisches Kammerorchester Heilbronn
録音年:Late 1960's ?

指揮者"Jörg Faerber"は、1929年-Stuttgart, Germany生。1960年、"the Württembergisches Kammerorchester Heilbronn (Württemberg Chamber Orchestra in Heilbronn)"を創設、そこに40年以上留まり、バロックのレバートリーに定評がありました。"Jörg Faerber"と"Württembergisches Kammerorchester Heilbronn"による録音は、本録音(カンタータ56番「われは喜びて十字架を担わん」)だけのようです。録音年は、正確には分からず1960年代後半のようです。"Jörg Faerber"は60年代"Vox"に録音を行なっていたようなので、この録音も"Vox"のものではないかと思われます。

6-16:Easter Oratorio BWV249「復活祭オラトリオ」
指揮:Marcel Couraud
Soprano: Friederike Sailer; Contralto: Margarethe Bence; Tenor: Fritz Wunderlich (仮名:"Werner Braun"?); Bass: August Messthaler Solo Violin:Susanne Lautenbacher; Oboe d'amor:Friedrich Milde; Continuo:Martin Galling;
Ensemble Vocale et Instrumentale, Stuttgart
録音年:1956

この録音は他社からも発売されています。オーストラリア・エロクェンス盤"Eloquence 4767142"です。指揮者"Marcel Couraud"は、1912年-Limoges, France生、1986年-Loches, France没。歌手には"Fritz Wunderlich"が参加、ヴァイオリンには"Susanne Lautenbacher"が参加しています。ただし、ジャッケトにはテノール"Werber Braun”と表記されており、何らかの理由で仮名で参加したようです(何があったんでしょうかね?)。ブンダーリヒの美声が本録音の聞き所に決まっていますが、ラウテンバッハーのヴァイオリンも大変な聞き所です。なお、原録音は"Philips"と思われます。エロクェンス盤と、"Concerto Royale"盤は若干音が異なるように思われるので、マスターが異なっているのではないでしょうか。

17:Cantata No.200「カンタータ200番」
指揮:Marcel Couraud
Alto/Contralto: Margarethe Bence; Susanne Lauterbacher (Violin); Dieter Vorholz (Violin); Martin Galling (Continuo)
L'ensemble instrumental de Stuttgart (Stuttgarter Orchester)
1956

上の演奏と同時にほぼ同じメンバーで演奏されたものと思われます。CD化はもしかすると初めてかもしれません。カンタータ200番は、断片ではありますが、とても愛らしい作品だと思います。ラウテンバッハーらのヴァイオリンとアルトの”Margarethe Bencd”はこの小品を、実に誠実に愛情を込めて演奏していると思います。このCDはセット最大の佳作だと思います。

CD2
1-22:Christmas Oratorio (Excerpts) BWV248「クリスマス・オラトリオ(抜粋)」
指揮:Hans Grischkat
Soprano: Maria Friesenhausen; Alto: Hildegard Laurich; Tenor: Peter Wetzler; Bass: Bruce Abel
Schwäbischer Singkreis Stuttgart / Südwestdeutsches Kammerorchester Pforzheim
1972

指揮者"Hans Grischkat"は1903年-Hamburg, Germany生、1977年-Stuttgart, Germany没。クリスマス・オラトリオの抜粋です(オリジナルでは多分全曲録音だった)。バッハ、ヘンデル、モンテヴェルディ等の録音があるようです。ヴンダーリッヒの参加したミサ曲ロ短調もmembranから販売されています。

CD3
1-6:Mass in minor BWV235「ミサ曲 ト短調」
指揮:Helmuth Rilling
Soprano: Elisabeth Speiser, Alto: Ingeborg Ruß, Tenor: John van Kesteren; Baritone: Gerhard Faulstich, Bass: Jakob Stämpfli
Gächinger Kantorei Stuttgart / Bach-Collegium Stuttgart
1967

指揮者は言わずと知れた"Helmuth Rilling"。有名なミサ曲ロ短調以外にも、バッハはミサ曲を作曲していました。ほとんどが、既存作品のパロディですが、そんな事情を全く感じさせない完成度だと思います。
リリングはこのミサ曲シリーズを60年台後半に録音しています。

7:Motete BWV228「モテットBWV228」
8:Motete BWV226「モテットBWV236」
指揮:Gerhard Wilhelm
Stuttgarter Hymnuschorknaber/Boy Choir Stuttgart
1960-70年代?

指揮者"Gerhard Wilhelm"は、1918年-Stuttgart, Germany生。Munchingerの受難曲録音に合唱指揮者として参加しています。他にも幾つか録音があるようですが、このモテットの録音は該当するデータがありませんでした。60年代から70年代の録音と思われます。



The RIAS Bach Cantatas Project (RIAS studio recordings from Berlin, 1949-1952)2012/04/20 05:00:00

The RIAS Bach Cantatas Project (RIAS studio recordings from Berlin, 1949-1952)

第二次戦後になり指揮者として颯爽と登場したカール・リステンパルトは、当初、RIAS(Radio in the American Sector) of Berlinの指揮者となっていた。ここで、バッハ・カンタータの全曲録音プロジェクトが計画され録音を開始したのである。しかしながら財政的な理由から録音は未完のまま中断されてしまった。これらの録音はレコードとしてすら発表されることはなかったものが、今年初めて保存状態の良い一部がCDおよびMP3音源として発売されることとなった。

録音年代は1949-1952であるが、いずれも状態の良い録音である(当然モノラル録音)。演奏解釈は、その後あたかも主流派の様に奉り上がられてしまったリヒターのような重厚さ、厳格さはなく、むしろ今日的といってもよいような、過剰な部分のない軽快なものである。楽器こそ現代楽器であるが、その後やってくるオリジナル楽器による演奏解釈を先取りしているかのように思われる。

歌手陣には、アグネス・ギーベル(ソプラノ)、ヘルムート・クレプス(テノール)そしてディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)など、バッハ演奏の常連が出演し充実している。

その後バッハ・カンタータの優れた録音が数多く行われていることを知っている現在、この古い録音をわざわざ聴かねばならない必要性は低いかもしれない。しかし、当時の演奏スタイルへのステレオタイプを破り、敗戦後ドイツの復興への思いを秘め、現在でも新鮮なスタイルのこの演奏には傾聴すべき価値があると思う。

録音はCDとMP3の2種が販売されている。価格的にはMP3の方が安価。

AmazonのMP3は著作権コントロールもかかっておらず取り扱いやすいのだが、海外のAmazonサイトの価格にに比べると一般的に割高なのが難。何とかならないものか。


ストローブ=ユイレ「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記」[DVD]2012/01/25 05:55:00

ストローブ=ユイレ「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記」[DVD](1967)

20012年1月16日、アムステルダムの自宅でグスタフ・レオンハルト氏が逝去されました。83歳でした(1928年5月30日生)。心よりご冥福をお祈りいたします。

レオンハルト氏の訃報に接し、本作品を思い出して注文、早速視聴しました。同じように、本作品に興味を持たれた方々のためにちよっと私見などを書き散らします。

■本作品はけして取っ付き易くはありませんが、さりとて、難解そうだからといって敬遠してしまうのはとてももったいない「映画」です。確かにレオンハルト等の演奏にのみ興味がある方にとっては色々と違和感かあるもしれません。しかし、本作はあくまでもストローブ=ユイレ監督の「映画」なのです。レオンハルトが、誰もが思い出すバッハの肖像画とは「似ていない」のも、本作が「映画」だからです(解説冊子にストローブの語るこの辺の由来が載っています)。

■ストローブとユイレが、本作を構想し、当時ほとんど無名と言いってよいレオンハルトに出演を依頼したのが1957年。1959年にはショット構成台本等がほぼ完成。ところが資金集めに大変手間取り、ようやく1967年に撮影されました。アート指向の映画に金が集まらないは何時の時代も同じようです。

■基本的には、時系列にそった主にアンナ・マグダレーナの語りと資料(手紙や楽譜等)、演奏の映像から構成されています。語りも映像も極力演出や感情表現を廃して、非常にストイックで淡々と表現されていきます(全てモノクロ映像なのもその一貫でしょう)。さらに、多くのショットは、ほぼ完全に引きのショットで固定されおり、演奏者全体を見渡す構図となっています(稀に演奏者にズームしていくものもある)。その固定され引いたショットの構図は、演奏者全体の配置や教会での演奏場所、窓や装飾等の見せ方等々、驚くほど緻密につくられており「その場で見ていること・場所」を強く意識させるものだと思います。

■演奏は全て撮影と同時録音(しかも一部を除き一本マイク)されており、音楽もまた「その場で聴いていること・場所」を意識させるものなのだと思います。さらに、資料研究に基づいた、ピリオド楽器とオリジナル奏法の復元による演奏というレオンハルトやアーノンクールの活動は、ストローブ=ユイレの「その場で見ている」「その場で聴いている」という演出の構造とパラレルな構造にあり、映画全体を支える重層的な構造を与えているのだと思います(だからこそストローブ=ユイレはレオンハルトやアーノンクールを起用したのではないのだろうか?)。

■本作はよくある「音楽映画」でもないし、演奏の「記録映画」でもありません。あくまでもストローブとユイレによる「映画」なのです。是非この「映画」を楽しんでください。ちょっと値段が高いですが思い切って買う価値があると思います。ここは<★★★★★>(5つ星)で。


Bach: Great Religious Vocal Works2011/09/01 06:17:00

Bach: Great Religious Works

軽快なテンポが特徴のバッハの宗教曲集。受難曲2曲、クリスマス・オラトリオはGrossmann(グロスマン)指揮、ミサ曲はGrischkat(グリシュカート)指揮。不勉強で全く知らなかったのですが、グロスマンはウィーンの合唱指揮者・指導者としてよく知られた方なのでした。


オリジナルはVoxで、録音はすべて1950年代です。パッケージの表示ではヨハネ受難曲1950年、マタイ受難曲1959年、クリスマス・オラトリオ1959年、ミサ曲ロ短調1958年となっています。しかしBach Cantata Websiteによると、Grossmannのヨハネ受難曲は1950年で正しいようですが、マタイ受難曲が「1954年以前」、クリスマス・オラトリオが「1952年」というのが正しいようです。実際、3曲ともモノラル録音です。Grischkatのミサ曲ロ短調は1959年でステレオ録音。一番新しいだけあって録音状態はこれが一番良いようです。


■CD1-2がヨハネ受難曲。録音は1950年モノラルという年代からするとかなり良好だと思います。冒頭「管楽器のピッチが変?」と思ってしまったのですが、ここはもともと不協和音で演奏されるところで、管楽器が強調された演奏のため不協和音がやけに目立つようです。切迫感や緊迫感を強調する狙いなのでしょうか。それほどゆったりしてはおらず、当時としてはむしろ軽快な演奏でしょうか。「ピッチが変?」の思い込みから離れて、だんだん聴きこんでいくと印象が変わっていってとても良い演奏だと思うようになりました。独唱者はみな良く歌っています。合唱は少年ではなく女声のみのようです。声を張り上げるような合唱の歌い方には好き嫌いあるかもしれません。テノール(エヴァンゲリスト)はFerry Gruber。最初、少し頼りないかなと思ったんですが、歌唱は流麗でした。この方は、主に、オペラ、オペレッタで活躍した人です。


■CD3-5がマタイ受難曲。「実際は1954年以前」のモノラル録音です。ヨハネより少し録音の状態が良くないようです。合唱は女声と少年がともに演じているようです。さらに、一部のソロにも少年が歌っているところがあるようです。これらの少年はクレジットされていませんが、もしかするとウィーン少年合唱団かもしれません。もちろん独唱者たちも良く歌っていると思います。


■CD6-8がクリスマス・オラトリオ。実際には「1952年」のモノラル録音ということでが、これもヨハネより少し録音の状態が劣っているかもしれません。合唱は女声が演じているようです。受難曲に比べて演奏がリラックスしていて、クリスマスに相応しい、穏やかさが感じられます。ソロ歌手も、ノビノビと歌っていると思います。Grossmannの3曲の中では一番聴きやすいかも知れません。


■CD8-10がミサ曲ロ短調。Girschkatの録音は1958年の唯一のステレオ録音。独唱者はGrossmannよりも優れていると思います(Wunderlichがいるくらいですから)。演奏は重くならず、晴れやか穏やかといった感じで好感が持てます。しかしなんといってもこの曲の目玉はWunderlichで、そのアリアを聴くのが最大の目的でしょうね。Wunderlichの出番は少ないので全部買うのか?、という躊躇は残りますが。


他の指揮者と違って合唱の指揮者ということなので、Grossmannの3曲は興味深い3曲となっています。特に、ヨハネ受難曲は合唱の曲でもあり、良い演奏だと思います。また、クリスマス・オラトリオも、リラックスしてクリスマスを寿ぐのに相応しい演奏だと思います。マタイ受難曲は少年の合唱が、イエスの緊迫した状況を浮かび上がらせます。そして、いずれの曲も(当時としては珍しい?)軽快なテンポが新鮮です。Grischkatは、結局Wunderlichを聞く曲かもしれませんが、他の歌手も優秀ですよ。


何というか、「是非聞いて下さい」という訳ではないんですが、1950年代録音の代表作として、特に合唱に興味のある方、Wunderlichに興味のある方には、「聞いて損は無い」と言っても良いものです。といことで、星4つ<★★★★>と評価します。


Jascha Heifetz : Bach Sonatas & Partitas2011/08/31 05:05:00

Jascha Heifetz : Bach - Sonatas & Partitas

1952年の録音。音質は年代なりといった感じ。ところで、この録音なぜが擬似スレオのようだ。シェリングの55年の録音(1回目の全曲)も擬似ステレオ録音で販売されている。この時代の「流行りもの」だったのだろうか。オリジナルのモノラル録音のマスターは失ってしまったのか、あるいは状態が悪いのか。今となっては素直なモノラル録音の方を聞きたいものだ。

ハイフェッツは技術が高いので、その技術で、より端正で明快なバッハの音を作ることに成功していると思う。同時期には、何人かのバイオリニストが無伴奏ヴァイオリンを全曲録音しており、特にシゲティ、シェリングやマルツィは録音時期が比較的近いのではないだろうか。この4人の演奏は全く違う、技術と音楽性によって全く異なる無伴奏ヴァイオリンを作り上げている。

それぞれ優れた演奏だとと思うが、その中でも、構築性と透明性でハイフェッツは抜きん出ており、非常に明快なバッハを聞くことが出来ると思う。技術の高さが、作品理解における明快性を産みだしているのだろう。

その後現在に至るまで、バッハ無伴奏の名演には事欠かないが、やはり50年代を代表する歴史的演奏の一つにに数えられると思う。


Clara Haskil - Edition2011/08/14 05:12:33

Clara Haskil - Edition

クララ・ハスキル(1895-1960)のDecca録音怒涛の17枚組。もう素晴らしいとしか言いようがありません。特にモーツァルトの協奏曲とベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ(グリュミオーと)は、まさに陶然。聞けばきっと幸福になれます。


Deutsche Grammophonのサイト

CD 1: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.9 in E flat, K.271 - "Jeunehomme"
1.1.Allegro10:30
2.2.Andantino11:29
3.3.Rondeau (Presto)10:13
Clara Haskil, Wiener Symphoniker, Paul Sacher
Piano Concerto No.20 in D minor, K.466
4.1.Allegro13:23
5.2.Romance 9:21
6.3.Rondo (Allegro assai)7:23
7.Rondo for Piano and Orchestra in A, K.3867:56
Clara Haskil, Wiener Symphoniker, Bernhard Paumgartner
Total Playing Time 1:10:15
CD 2: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.20 in D minor, K.466
1.1. Allegro - cadenza: Clara Haskil13:27
2.2. Romance9:32
3.3. Rondo (Allegro assai)7:04
Piano Concerto No.24 in C minor, K.491
4.1. (Allegro) - cadenza: Clara Haskil13:13
5.2. Larghetto7:14
6.3. (Allegretto) - cadenza Nikita Magaloff8:57
Clara Haskil, Orchestre des Concerts Lamoureux, Igor Markevitch
Total Playing Time 59:27
CD 3: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.19 in F, K.459 - Cadenzas: W.A. Mozart
1.1. Allegro vivace - Cadenza: Wolfgang Amadeus Mozart12:46
2.2. Allegretto8:12
3.3. Allegro assai - Cadenza: Wolfgang Amadeus Mozart7:12
Clara Haskil, Berliner Philharmoniker, Ferenc Fricsay
Piano Concerto No.23 in A, K.488
4.1.Allegro11:13
5.2.Adagio6:27
6.3.Allegro assai8:20
Clara Haskil, Wiener Symphoniker, Paul Sacher
Total Playing Time 54:10
CD 4: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.20 in D minor, K.466
1.1. Allegro13:02
2.2. Romance8:34
3.3. Rondo (Allegro assai)7:06
Clara Haskil, RIAS Symphony Orchestra Berlin, Ferenc Fricsay
Piano Concerto No.27 in B flat, K.595
4.1. Allegro13:04
5.2. Larghetto7:38
6.3. Allegro8:43
Clara Haskil, Bavarian State Orchestra, Ferenc Fricsay
Total Playing Time 58:07
CD 5: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.13 in C, K.415 - Cadenza: Nikita Magaloff
1.1. Allegro - Cadenza: Nikita Magaloff11:54
2.2. Andante - Cadenza: Nikita Magaloff6:44
3.3. Rondeau (Allegro)7:46
Clara Haskil, Festival Strings Lucerne, Rudolf Baumgartner
Piano Concerto No.20 in D minor, K.466
4.1. Allegro14:11
5.2. Romance9:30
6.3. Rondo (Allegro assai)7:23
Clara Haskil, Winterthur Symphony Orchestra, Henry Swoboda
 Manuel de Falla (1876 - 1946)
Nights in the Gardens of Spain
7.1. En el generalife10:01
8.2. Danza lejana4:34
9.3. En los jardines de la Sierra de Cordoba7:51
Clara Haskil, Orchestre des Concerts Lamoureux, Igor Markevitch
Total Playing Time 1:19:54
CD 6: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Piano Concerto No.19 in F, K.459
1.1. Allegro vivace12:15
2.2. Allegretto9:04
3.3. Allegro assai7:11
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Piano Concerto No.3 in C minor, Op.37
4.1. Allegro con brio16:38
5.2. Largo9:43
6.3. Rondo (Allegro)9:27
Clara Haskil, Winterthur Symphony Orchestra, Henry Swoboda
Total Playing Time 1:04:18
CD 7: Clara Haskil Edition
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Piano Concerto No.3 in C minor, Op.37
1.1. Allegro con brio17:18
2.2. Largo9:14
3.3. Rondo (Allegro)10:05
 Frédéric Chopin (1810 - 1849)
Piano Concerto No.2 in F minor, Op.21
4.1. Maestoso13:49
5.2. Larghetto8:49
6.3. Allegro vivace8:45
Clara Haskil, Orchestre des Concerts Lamoureux, Igor Markevitch
Total Playing Time 1:08:00
CD 8: Clara Haskil Edition
 Robert Schumann (1810 - 1856)
Piano Concerto in A minor, Op.54
1.1. Allegro affettuoso14:04
2.2. Intermezzo (Andantino grazioso)4:37
3.3. Allegro vivace10:15
Clara Haskil, The Hague Philharmonic Orchestra, Willem van Otterloo
Waldszenen, Op.82
4.1. Eintritt1:43
5.2. Jäger auf der Lauer1:13
6.3. Einsame Blumen2:07
7.4. Verrufene Stelle2:25
8.5. Freundliche Landschaft0:59
9.6. Herberge1:45
10.7. Vogel als Prophet3:03
11.8. Jagdlied2:18
12.9. Abschied3:14
Clara Haskil
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Piano Concerto No.4 in G, Op.58
13.1. Allegro moderato17:52
14.2. Andante con moto5:02
15.3. Rondo (Vivace)9:57
Clara Haskil, London Philharmonic Orchestra, Carlo Zecchi
Total Playing Time 1:20:34
CD 9: Clara Haskil Edition
 Domenico Scarlatti (1685 - 1757)
Sonata in E flat major K.193
1.(Allegretto)4:01
Sonata in B minor, K.87
2.(Andante mosso)4:34
3.Sonata in F minor, K.3862:26
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
4.Nine Variations in D, K.573 on a minuet by J.P. Duport13:21
Piano Sonata No.10 in C major, K.330
5.1. Allegro moderato6:20
6.2. Andante cantabile6:15
7.3. Allegretto5:19
 Maurice Ravel (1875 - 1937)
Sonatine for Piano
8.1. Modéré3:56
9.2. Mouvement de menuet2:47
10.3. Animé3:35
 Robert Schumann (1810 - 1856)
Bunte Blätter, Op.99
11.Stücklein I: Nicht schnell, mit Innigkeit1:29
12.Stücklein II: Sehr rasch0:52
13.Stücklein III: Frisch0:47
14.Albumblätter I: Ziemlich langsam, sehr gesangvoll1:03
15.Albumblätter II: Schnell0:41
16.Albumblätter III: Ziemlich langsam, sehr gesangvoll1:12
17.Albumblätter IV. Sehr langsam1:02
18.Albumblätter V. Langsam1:41
19.Abegg Variations, Op.16:55
Clara Haskil
Total Playing Time 1:08:16
CD 10: Clara Haskil Edition
 Robert Schumann (1810 - 1856)
Kinderszenen, Op.15
1.1. Von fremden Ländern und Menschen1:36
2.2. Kuriose Geschichte0:58
3.3. Hasche-Mann0:31
4.4. Bittendes Kind0:46
5.5. Glückes genug1:14
6.6. Wichtige Begebenheit0:44
7.7. Träumerei2:39
8.8. Am Kamin0:53
9.9. Ritter vom Steckenpferd0:36
10.10. Fast zu ernst1:26
11.11. Fürchtenmachen1:36
12.12. Kind im Einschlummern1:36
13.13. Der Dichter spricht2:00
Waldszenen, Op.82
14.1. Eintritt2:02
15.2. Jäger auf der Lauer1:19
16.3. Einsame Blumen2:12
17.4. Verrufene Stelle2:26
18.5. Freundliche Landschaft1:02
19.6. Herberge1:53
20.7. Vogel als Prophet3:11
21.8. Jagdlied2:26
22.9. Abschied3:14
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Piano Sonata No.17 in D minor, Op.31 No.2 -"Tempest"
23.1. Largo - Allegro7:29
24.2. Adagio6:17
25.3. Allegretto5:42
Piano Sonata No.18 in E flat, Op.31 No.3 -"The Hunt"
26.1. Allegro8:24
27.2. Scherzo (Allegretto vivace)4:50
28.3. Menuetto (Moderato e grazioso)4:13
29.4. Presto con fuoco4:34
Clara Haskil
Total Playing Time 1:17:49
CD 11: Clara Haskil Edition
 Franz Schubert (1797 - 1828)
Piano Sonata No.21 in B flat, D.960
1.1. Molto moderato13:24
2.2. Andante sostenuto8:04
3.3. Scherzo (Allegro vivace con delicatezza)3:35
4.4. Allegro ma non troppo6:53
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Piano Sonata No.17 in D minor, Op.31 No.2 -"Tempest"
5.1. Largo - Allegro7:46
6.2. Adagio6:08
7.3. Allegretto6:01
Piano Sonata No.18 in E flat, Op.31 No.3 -"The Hunt"
8.1. Allegro8:49
9.2. Scherzo (Allegretto vivace)5:15
10.3. Menuetto (Moderato e grazioso)4:13
11.4. Presto con fuoco5:00
Clara Haskil
Total Playing Time 1:15:08
CD 12: Clara Haskil Edition
 Domenico Scarlatti (1685 - 1757)
Piano Sonata No.21 in B flat, D.960
1.Sonata in C sharp minor, K.247 (L.256)5:25
2.Sonata in G, K.21:44
3.Sonata in C, K.1325:54
4.Sonata in G minor, K.352:25
5.Sonata in E flat, K.1934:06
6.Sonata in F minor, K.3862:29
7.Sonata in F minor, K.5192:46
8.Sonata in A, K.3222:54
9.Sonata in B minor, K.874:33
10.Sonata in C, K.5152:44
11.Sonata in F, K.4372:31
 Antonio Soler (1729 - 1783)
12.Sonata In D 2:25
 Giovanni Battista Pescetti (1704 - 1766)
13.Sonata In C Minor3:35
 Franz Joseph Haydn (1732 - 1809)
14.Variations In F Minor6:07
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
15.12 Variations in C, K.265 on "Ah, vous dirai-je Maman"7:49
Piano Sonata No.2 in F, K.280
16.1. Allegro assai4:48
Clara Haskil
17.2. Adagio4:31
Clara Haskil, Festival Strings Lucerne, Rudolf Baumgartner
18.3. Presto3:01
Clara Haskil
Total Playing Time 1:09:47
CD 13: Clara Haskil Edition
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Sonata for Violin and Piano No.1 in D, Op.12 No.1
1.1. Allegro con brio6:34
2.2. Tema con variazioni (Andante con moto)6:46
3.3. Rondo (Allegro)4:47
Sonata for Violin and Piano No.2 in A, Op.12 No.2
4.1. Allegro vivace4:31
5.2. Andante più tosto allegretto5:40
6.3. Allegro piacevole4:26
Sonata for Violin and Piano No.3 in E flat, Op.12 No.3
7.1. Allegro con spirito8:04
8.2. Adagio con molt'espressione6:16
9.3. Rondo (Allegro molto)4:13
Sonata for Violin and Piano No.4 in A minor, Op.23
10.1. Presto5:18
112. Andante scherzoso, più allegretto5:42
12.3. Allegro molto5:26
Arthur Grumiaux, Clara Haskil
Total Playing Time 1:07:43
CD 14: Clara Haskil Edition
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Sonata for Violin and Piano No.5 in F, Op.24 - "Spring"
1.1. Allegro10:14
2.2. Adagio molto espressivo6:46
3.3. Scherzo (Allegro molto)1:06
4.4. Rondo (Allegro ma non troppo)6:03
Sonata for Violin and Piano No.6 in A, Op.30 No.1
5.1. Allegro5:27
6.2. Adagio6:57
7.3. Allegretto con variazioni7:32
Sonata for Violin and Piano No.7 in C minor, Op.30 No.2
8.1.Allegro con brio7:32
9.2. Adagio cantabile9:21
10.3. Scherzo (Allegro)3:10
114. Finale (Allegro)5:00
Arthur Grumiaux, Clara Haskil
Total Playing Time 1:07:47
CD 15: Clara Haskil Edition
 Ludwig van Beethoven (1770 - 1827)
Sonata for Violin and Piano No.8 in G, Op.30 No.3
1.1. Allegro assai6:04
2.2. Tempo di minuetto, ma molto moderato e grazioso7:49
3.3. Allegro vivace3:21
Sonata for Violin and Piano No.9 in A, Op.47 - "Kreutzer"
4.1. Adagio sostenuto - Presto10:53
5.2a. Andante2:54
6.2b. Var. I2:09
7.2c. Var. II1:52
8.2d. Var. III3:11
9.2e. Var. IV3:19
10.2f. Coda (Molto adagio)2:41
113. Finale (Presto)6:38
Sonata for Violin and Piano No.10 in G, Op.96
121. Allegro moderato9:26
132. Adagio espressivo5:41
143. Scherzo (Allegro)1:36
154. Poco allegretto8:24
Arthur Grumiaux, Clara Haskil
Total Playing Time 1:15:58
CD 16: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Sonata for Piano and Violin in G, K.301
1.1. Allegro con spirito5:37
2.2. Allegro5:06
Sonata for Piano and Violin in E minor, K.304
3.1. Allegro6:23
4.2. Tempo di minuetto5:26
Sonata for Piano and Violin in F, K.376
5.1. Allegro3:21
6.2. Andante5:37
7.3. Rondo (Allegretto grazioso)5:42
Sonata for Piano and Violin in B flat, K.378
8.1. Allegro moderato5:57
9.2. Andantino sostenuto e cantabile4:48
10.3. Rondo (Allegro)4:01
Clara Haskil, Arthur Grumiaux
Total Playing Time 51:58
CD 17: Clara Haskil Edition
 Wolfgang Amadeus Mozart (1756 - 1791)
Sonata for Piano and Violin in B flat, K.454
1.1. Largo - Allegro7:13
2.2. Andante8:06
3.3. Allegretto6:32
Sonata for Piano and Violin in A, K.526
4.1. Allegro molto6:21
5.2. Andante8:18
6.3. Presto6:53
Arthur Grumiaux, Clara Haskil
Total Playing Time 43:23