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ケン・ラッセル「マーラー(Mahler)」 (1974)2013/05/19 04:18:41

ケン・ラッセル「マーラー」(1974)

■昨日5月18日はマーラーの命日(1911年5月18日)でした。偶然数日前に買ったDVDをその命日に見ることになりまし。

■1911年、ニュー・ヨークから帰欧しウィーンへ向う列車内での、病魔に侵され死期の迫ったマーラーの見た夢、回想、現実の入り混じった世界が展開されます。

■こんな内容なので、典型的な伝記映画とは全く異なるものです。幼少時の生活、兄弟姉妹との生活、猟官、改宗、結婚、子供達の誕生、その死、妻アルマとの不仲、死の予感、など様々な夢や記憶や幻想がマーラーの脳裏を過るというものです。

■マーラーの伝記をよく知っていれば、あの話かというゆうエピソードもありそうですが、創作されたエピソードともども象徴的意味を担っているようです。反ユダヤ主義者コジマ・ワーグナーの件は、ナチズムの先取り的パロディになっていてチョット苦笑ものでしたが、これもラッセルの皮肉なユーモアだったのかも知れません。

■以上のように夢や幻想に様々な象徴が隠されたアート系映画なので、そういうのが苦手な人は受け付けないし、逆に、私の様な変な物好きにはスゴく面白いという、評価の別れる映画です。

■そうそう、忘れてましたが、映画の冒頭には、ヴィスコンティの「ベニスに死す」へのオマージュも入っています。

私のような、訳の分からない系の映画が好きな人を基準にして採点して☆☆☆☆☆です。その手の趣味の方はは是非御覧ください。そうでないかたは…… 

■追記:映画内の象徴的場面は、この本で予習しておくと少し分かるものがあるかもしれません。この本のなかで、この映画「マーラー」についても触れられています。


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