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5月4日(火)「DigTag ニュースガテン系・DJ神保くんが行く」(TBSラジオ)2010/05/09 06:36:53


5月4日(火)「ニュース探求ラジオDig」(TBSラジオ)[PodCastで聞くことができます]

旧聞ですが、5月4日のTBSラジオのニュース番組「ニュース探求ラジオDig」中のコーナー「ニュースガテン系・DJ神保くんが行く」(放送時間は24時をこえて5月5日にはいいていたようですが)で、ジャーナリストの神保さんが竹内香苗アナウンサーに「何故子供をを生みにくいんだろう?」と問いを発していました。少子高齢化にストレートに切り込みましたね。

これに対し竹内さんは、熱く語ってらっしゃいました。

竹内さんの発言を、私なりにまとめると、

(1)男性と女性の結婚時において、女性に不利益な暗黙の契約が存在し続けている。

(2)男性は今まで通り、仕事のみに専心し、女性は一方的に仕事に加え家事・育児を担わされる。

(3)同世代の男性の本音も、そういった女性の役割を暗に期待しているように感じている。

(4)そのような理不尽な契約のもとで、女性が結婚・育児を行うのは困難である。

これに対し、神保さんが「互いに自分の事は自分でやるという関係になったら単なる同居人と同じにならない?」と疑問を返すと、竹内さんは「友愛で結ばれる」と。(^.^)

神保さん「自分の同級生を見ていると、親世代と同じような性役割を求めるようになるとは思っていなかったが、親と同じ様な家庭になっている」。これに対し、竹内さん「母は完全犠牲でしたからね自分の事は」(ーー;)

男性に刷り込まれてしまっている「性役割期待」が有る限り、女性にとってデメリットばかりの、結婚・出産は困難になるばかりということですね。とても説得力ありますね。さらに、当事者の男性ばかりでなく、親世代や世間にこの「性役割期待」があるので、嫁姑関係等でも、仕事より家事・育児に専念すべきという圧力がかかるということもありますよね。

野田聖子議員へのインタビュー記事

10年ほど前、橋本聖子参院議員が妊娠した時、「仕事を辞めろ」という抗議文がたくさん届いた。全国民、男女問わず。それもあって、彼女は産後5日で復帰した。国民には女が男並みに仕事するなら子どもを産むなという価値観が強かった。
さらに、一般に女性の方が収入が低いという労働市場の問題。山田昌弘「少子社会日本―もうひとつの格差のゆくえ」岩波新書(2007年) から引用したように

「夫の育児、家事参加について多くの調査がなされている。そして、夫の家事、育児参加を増やす最大の要因は、妻の「収入」であることが分かっている。妻の収入が高くなると、夫の家事、育児時間が増え、妻の収入が低ければ夫は、家事、育児を手伝わない傾向が見られる」(p.161)。

ジジ、ババ(だけでは無いかもしれいが)の古色蒼然たる性役割分担論の粉砕と、男女賃金の格差廃絶のみが、少子化を止めることができるだろう。どうも、自民党にも民主党にも解決出来そうもないが。

ハーバード白熱教室(その2)2010/04/24 03:32:41


ハーバード白熱教室(NHKのサイト)

「ハーバード白熱教室」の第1回の再放送を見ました。道徳と功利主義の矛盾についての討論と言えるでしょうか。我々は無自覚に功利主義を前提にしていることが分かります。

学生の発言を聞いていて思ったのは、ハーバードの学生が優れた意見を持っているのではなく、自分の考えを言葉にする努力をしていることです。自分の考えを言葉にすることにより、論理の不十分さや異なる視点に気がつくことができる。

教授も学生の意見を引き出しながら授業を進めていくのが上手いですが、ロースクールやビジネスクールも含めてアメリカの大学の良いところだと思います。日本でやろうとすると学生が意見を言えないことより、教授が上手く授業を進められない事が問題でしょうね。


あなたは時速100kmのスピードで走っている車を運転しているが、ブレーキが壊れていることに気付きました。前方には5人の人がいて、このまま直進すれば間違いなく5人とも亡くなります。横道にそれれば1人の労働者を巻き添えにするだけですむ。あなたならどうしますか?サンデル教授は、架空のシナリオをもとにしたこの質問で授業を始める。大半の学生は5人を救うために1人を殺すことを選ぶ。しかし、サンデル教授はさらに同様の難問を繰り出し、学生が自らの解答を弁護していくうちに、私たちの道徳的な根拠は、多くの場合矛盾しており、そして、何が正しくて、何が間違っているのかという問題は必ずしもはっきりと白黒つけられるものではないことを明らかにしていく。
Lecture1:犠牲になる命を選べるか


サンデル教授は、19世紀の有名な訴訟事件「ヨットのミニョネット号の遭難事件」から授業を始める。それは、19日間、海上を遭難の後、船長が、乗客が生き残ることができるように、一番弱い給仕の少年を殺害し、その人肉を食べて生存した事件だった。君たちが陪審員だと想像して欲しい。彼らがしたことは道徳的に許容できると考えるだろうか?この事例を元に、哲学者、ジェレミー・ベンサムの功利主義「最大多数の最大幸福」についての議論を戦わせていく。
Lecture2:サバイバルのための殺人

「アスペルガー症候群 活躍の場を求めて」『クローズアップ現在』(NHK総合)2010/04/22 05:12:55


「アスペルガー症候群 活躍の場を求めて」『クローズアップ現在』(NHK総合)、2010年 4月21日(水)放送

NHKで4月21日に放送された「アスペルガー症候群 活躍の場を求めて」を視ての感想。

以下、NHKサイトから引用を開始します。

引きこもり、うつ病など20~40代の間で深刻化する問題の背後の多くに、実はアスペルガー症候群が潜んでいることがわかってきた。アスペルガー症候群は脳の機能障害で、知的障害はないが他人の気持ちを推し量ったり、暗黙のルールを理解できないため、職場では「変わった人」と見られ、孤立を深めて社会からドロップアウトしていく人が少なくない。一方でIT技術など特定の分野において秀でた能力を持っている人も多く、周囲が障害を理解し、対応を工夫すれば、目覚しい活躍をすることも分かってきた。企業でも今、アスペルガー症候群の人を積極的に採用し、その力を活かそうという取り組みが始まっている。“アスペルガー症候群の人”たちが社会で活躍するためには何が必要なのか、当事者と雇用する側双方の取材を通して考える。
「アスペルガー症候群 活躍の場を求めて」『クロー自アップ現在』(NHK総合)、2010年 4月21日(水)放送

番組中のアスペルガー症候群の人達にはシンパシーを感じてしまう私である。「社会性の高い人とコンビを組んで仕事をしたい」という希望もよく理解できる。そこで、「自閉症スペクトラム指数(Autism-Spectrum Quotient: AQ)自己診断」というのを見つけたのでやってみた。

あなたの得点:36点、 社会的スキル:9点、 注意の切り替え:8点、 細部への注意:2点、 コミュニケーション:8点、 想像力:9点

「閾値を越えています。」との御託宣であった。ちなみに閾値は33点ということで、自閉症障害またはアスペルガー障害の診断基準にあてはまる健常者であり、健常者のうち高い自閉症スペクトラムに属するのかもしれない。(いじめにあったり、不登校の経験はない。20年以上サラリーマンを続けていた。ただし、度々周囲の人々から変わり者だと言われてきた。)

「予想通りの変わり者」といったところでしょうか。



ハーバード白熱教室2010/04/19 01:59:49


ハーバード白熱教室(NHKのサイト)

「ハーバード白熱教室」の第3回を見ました。1000人を超えるとはすごい学生数です。あれこれ考えながら面白く見られます。日本の大学だと、普通「授業」ではなく「講義」と言いますが、これは講義ではないので、授業ですね。実際の授業に出席して意見を言いたくなりました(英語じゃ発言できませんけど)。

ただ、ケースメソッドの授業の経験があるので、もっと学生が発言して議論が白熱したり、教授にやり込められるのかと思っていました。それでも、通常の「講義」より断然面白いですね。日本では、この程度に学生の発言を求める授業は成立するんでしょうか。学生にそれなりの予習が求められるので難しいかな。

第1回からの再放送があるそうなので見てみたいと思います。そもそも、ハーバード大学のサイトにいけば全部の授業の動画が公開されているんですね。私の英語力では50%ぐらいしか理解できないので楽しめませんが。英語の得意な人がうらやましい。


アメリカでは、所得層の上位10%が富の70%を所有している。アメリカは、民主主義国の中で、富の分配については、もっとも不平等な社会の一つである。さあ、これは公正か不公正か?サンデル教授の質問から議論が始まる。その中でリバタリアンの哲学者、ロバート・ノージックを紹介する。リバタリアンの理論によれば、政府の介入が最低限に抑えられた最小国家のみが正当化され、政府は(1)人間を自分たちから守るような法律(シートベルトを強制する法律など)、(2)社会に道徳的価値観を押し付ける法律、(3)富める者から貧しい者への所得を再分配する法律、を制定する力を持つべきではない。サンデル教授はビル・ゲイツとマイケル・ジョーダンの例を挙げ、税金による再分配は強制労働と同じであるというノージックの理論を説明していく。
Lecture 5:課税に「正義」はあるか


アメリカには私立の消防会社がある。消防会社に登録し、年間の会費を払うと、家が火事になったら、やってきて消火してくれる。しかし、彼らは誰の火事でも消してくれるわけではない。このビジネスから始まり、リバタリアンの哲学者、ロバート・ノージックの論を紹介する。彼は貧困層の住宅、ヘルスケア、教育のために、富裕層に税金を課すのは一種の強制だと主張する。学生たちは大反論する。再分配のための課税は必要だ。貧しい人の多くが暮らすためには、社会福祉が必要なのではないのだろうか?しかし、累進課税システムの社会に生きていたら、税金を払う義務を感じなくなるのだろうか?多くの場合、お金持ちの多くは、富をまったくの幸運か、一族の財産として獲得しているのではないか?この授業では、学生からなる「リバタリアン・チーム」が、これらの反論に応え、リバタリアンの哲学を弁護する。
Lecture 6 「私」を所有しているのは誰?