村野藤吾「旧森五商店東京支店(近三ビル)」 ― 2007/09/29 10:10:58

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旧森五商店東京支店(近三ビル)
設計:村野藤吾
施工:竹中工務店
中央区日本橋室町4-1-21
1931年
(2007年9月22日撮影)
倉片俊輔、斉藤理(監修・執筆)「東京建築ガイドマップ-明治 大正 昭和」エクスナレッジ(2007年)
The Japan Architect, 57号, 2005年春号, 新建築社
旧森五商店東京支店(近三ビル)
設計:村野藤吾
施工:竹中工務店
中央区日本橋室町4-1-21
1931年
村野藤吾の独立後の処女作。当時としては非常に斬新であった、フラットな壁面と窓(当時は、雨対策で窓が引き込んでいるのが普通だった)。黒褐色のタイル張りの壁面も綺麗ですが、現代のビルに囲まれてしまうと、地味な印象を免れません。
1階玄関の天井にはモザイク装飾、各フロアの壁面は「トラバーチン」という石材が張られています。どちらもドイツから素材を輸入したものだそうです。
当初7階建てだったのですが、1956年に8階と後部を増築しました。村野と竹中工務店が、これに携わり、全く違和感はありません。
さらに、1992年に全面改修が行われました。外壁タイルと窓サッシはすべて交換されています。技術的問題やコスト、現代のビルに必要な機能性、さらには建築法規等々、様々な問題をクリアして、外壁タイルはオリジナルより小さくなり、窓サッシも「上げ下げ窓」から改修されています(はめ殺し?)。それでも、オリジナルのデサインが可能な限り尊重されており、ビルの保存・改修の優れた例となっています。
理解ある良い施主にも恵まれた稀有な例かも知れませんが、こういった保存がもっともっと増えてくれると嬉しいですね。
【参考文献】倉片俊輔、斉藤理(監修・執筆)「東京建築ガイドマップ-明治 大正 昭和」エクスナレッジ(2007年)
The Japan Architect, 57号, 2005年春号, 新建築社
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