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シュヴァイツァーの芸術(バッハ:オルガン作品集)2007/05/19 11:51:35


シュヴァイツァーの芸術
Albert Schweitzer
録音:1935,1936,unknown
1991
東芝EMI TOCE-11502,11503,11504(廃盤)

アルベルト・シュヴァイツァー(1875-1965)によるバッハオルガン作品集(3CD)の感想です。例によって、大手オンライン古書店で入手しました。

えっ?、シュヴァイツァーて誰だって?

演奏者のシュヴァイツァーとは、誰もが偉人伝で知っている、、アフリカで生涯を原住民への医療に捧げた、あの「シュヴァイツァー博士」、その人です。

シュヴァイツァーは、1875年ルター派教会の牧師の子として生まれ、幼い頃から教会音楽の演奏をおこなっていました。ストラスブール大学では、哲学博士、神学博士の学位を取得する(1893年-1899年)一方で、音楽の研究にも研鑽を重ね、後に研究の成果を『ヨハン・ゼバスティアン・バッハ』(1904年フランス語による初版、1908年ドイツ語による増補版)として出版、不朽のバッハ研究書となります。

30歳までは学問と芸術を身につけることをゆるされるが、その後は直接人間に奉仕する道に進むべきであると決意し、30歳にして再びストラスブール大学に入学し、医学を学びます。1912年医学博士の学位を取得し、翌年38歳の時にガボン(当時仏領赤道アフリカの一部)のランバレネにおいて医療活動を開始しました。この後は、皆さんが知っている「密林の聖者」シュヴァイツァー博士として、原住民のための医療活動に専心します。

シュヴァイツァーは、病院の経営が金銭的に困難になると、ヨーロッパに戻り、演奏会活動などで活動資金を募り、病院の運営に当てました。

このCDは、こういった時代の彼の演奏を録音したものです。技巧的には弱さも指摘されているようですが、学問的に裏打ちされた解釈、彼自身の人間性・精神性のこもった演奏は、貴重なものだと思います。

当然SP録音からの復刻で、現代の録音とは比較になりませんが、バッハに関心を持つ人に限らず、是非聴いてほしい録音です。


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