カフカ「城」 ― 2010/04/04 03:23:21
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カフカ「城」新潮文庫(1971年)
カフカ「城」新潮文庫(1971年)
測量師Kが伯爵に雇われ所領の村までやってくるが、伯爵の城の役人達や村人の奇妙な応対にあい、村の中をあれこれ動き回るが、結局らちがあかないまま話は終わる。不思議な小説です。
解釈はさまざまあるようです。私は、人間が社会や組織に対して幻想(思い込み)を抱くことにより、幻想が自己実現し人間を支配していく様を描いているように思います。本当は支配者なんていないのに自ら勝手に支配されていくとでも言うのでしょうか。実際は「城」による評価など分かりもしないのに村人どうしで、村八分にしたり、「城」の覚えのめでたいものとしてちやほやされたり。一方「城」の役人もKが強引に面談してみると、より上役の気持ちを「忖度し」指示を出す。村のことなどほとんど理解してないし、決定権も持っていないと言う。そして、「伯爵」は全く登場しない。
長編小説でこの単調な不条理さはかなり読みづらい。根気がいります。
読みだしてすぐに登場人物のやりとりが、上から俯瞰されているような印象を受たので、直ぐに映画になりそうだなと思ったののですが、実際DVDになっていました。いずれにしろ単調で見るの派苦しそうですね。
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