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フランソワ・トリュフォー「華氏451」(DVD)2007/04/07 03:07:09


華氏451(Fahrenheit 451)
1966年/イギリス/フランス
キャスト:オスカー・ウェルナー/ジュリー・クリスティ/シリル・キューザック/アントン・ディフリング/アレックス・スコット
スタッフ:製作:ルイス・M・アレン
監督:フランソワ・トリュフォー
脚本:ジャン・ルイ・リシャール/フランソワ・トリュフォー
撮影:ニコラス・ローグ
DVD発売元:ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

の感想です。

若い人達がSFだと思って見ると、チョッと辛いのでしょうが(最近のCG映像を見慣れた人から見たら、特撮部分は「笑っちゃう」でしょう)、でも本作をSFと思って見てはいけません。

さらに、トリュフォー、批評家共に認める大失敗作だった…らしいのですが、私にはとても面白い映画でした。


双方向壁掛けテレビから、人々に「従兄弟たち」と呼びかけるTVキャスター。その世界に文字はない(ちなみに映画冒頭のタイトルバックも一切文字無し)。

知識を得ること(即ち、書物を読むこと)により、反社会的な思想が生まれる。知識を得て、社会に疑問を抱き、批判的に思考することは全て禁止されるべきなのだ。

だから、「消防士(fireman)」達は、反社会分子の家宅を捜索し、書物を押収し、焼却する。

その書物に興味を持ってしまい、現状に疑問を感じ始めてしまった一人の消防士は、やがて…


双方向壁掛けテレビは、間違いなく、私の子供の頃の「未来」(年が分かりますね)。そしてその「未来」は今や現実となっています。

では、文字のない世界、知識、批判的思考の禁じられた世界は?

もしかすると、これも現実…


なお原作が、

レイ・ブラッドベリ(宇野利泰訳)「華氏四五一度」早川文庫(2000年)

映画は、原作とは若干ストーリー、特に結末が異なるそうです。

そして、本作品の撮影日記が、

フランソワ・トリュフォー(山田宏一訳)「ある映画の物語」草思社(1986年)
現在品切れ、POD版が入手可

で読めますが、何れも未読なので、何時か感想を書きたいと思います。

ちなみに、レイ・ブラッドベリは、マイケル・ムーアの「華氏911」のネーミングには、かなりご立腹だそうな。

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